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常在菌叢

健康な人は、皮膚、鼻、口、のど、大腸、腟など、体の非無菌状態の部位に生息している(コロニーを作っている)微生物の大半とうまく共存しています。常に体内の決まった部位に集団で存在している微生物を「常在菌叢(じょうざいきんそう)」と呼びます。
それぞれの部位の常在菌叢は、何種類かの微生物で構成されています。食事、抗菌薬の使用、衛生状態、大気汚染、衛生習慣などの環境要因によって、各人がもつ常在菌の種類は変わってきます。常在菌叢は、例えば皮膚の洗浄や抗菌薬の投与などによって一時的に変化しますが、通常はすぐにもとの状態に戻ります。
常在細菌は、病気の原因となる微生物から人間の体を守ってくれることも多いのです。しかし、抗菌薬の使用、けがまたは手術、免疫系の機能低下(エイズやがんの患者、コルチコステロイドの投与や化学療法を受けている人などでみられる)では、各人の常在菌の一部が病気を起こすこともあります。

皮膚常在菌

一見、清潔に見える健康な皮膚にも、私たちの目に見えない1兆個以上の微生物が存在します。これらは通常、健常な皮膚に病変を起こすことはなく、むしろほかの病原微生物の付着、増殖を抑制していると考えられていて、皮膚の最外層である角層に存在する生体由来の物質(水分や塩類、皮脂や角層細胞間脂質など)と相互に作用し、外界からの様々な刺激から生体(おもに皮膚)を守る防御機能の一端を担っています。
表皮ブドウ球菌は、皮膚表面や毛穴に存在し、汗(アルカリ性)や皮脂をエサにして、グリセリンや脂肪酸を生成して皮膚のバリア機能を保っています。
アクネ菌は、酸素を嫌い毛穴や皮脂腺に存在し、皮脂をエサにして、プロピオン酸や脂肪酸を生成し、肌を弱酸性に保つことで病原性の強い細菌の増殖を抑える役割をもっています。皮脂分泌が多くなったり毛穴がつまると増殖して炎症を起こしニキビの原因となります。
黄色ブドウ球菌は、皮膚表面や毛穴に存在し、病原性が高く皮膚がアルカリ性に傾くと増殖して皮膚炎などを引き起こします。
マラセチア菌は皮膚表面に広く常在する真菌で高温多湿の環境で増殖しやすく、皮脂をエサにしているため、皮脂分泌量が増えるとマラセチアも増殖し、フケや脂漏性皮膚炎、癜風(でんぷう)の原因となります。
これら常在菌のバランスが崩れると皮膚トラブルを起こします。なかでも表皮ブドウ球菌が減るとアルカリを好む黄色ブドウ球菌や真菌の増殖につながります。
表皮ブドウ球菌は角質層に存在します。一日一回石けんでやさしく洗えれば十分で、無理に角質をとるのは良くありません。乾燥肌は皮膚の環境がアルカリ性に傾き、表皮ブドウ球菌が存在しにくくなるので、乾燥肌を放置せずに保湿ケアを習慣づけましょう。